はじまり

茶葉本来の味と香りを届けたい 

創業者の英次郎はサントリーで12年以上、日米でお茶の事業に携わっていた。ただ、一年間常温で保存が必要なペットボトル飲料では高温での熱殺菌が必要で、英次郎が理想とする茶葉本来の味と香りをそのまま届けることはできなかった。


千利休から冷蔵技術が発達する100年ぐらい前までは、客人を招くときに茶葉を石臼で挽いて茶の湯をすることが一般的だった。英次郎は京都で体験した、そんな挽きたての抹茶の味と香りを届けたいと思っていた。


そこで、カフェ事業を立ち上げ、アメリカのサンフランシスコでStonemill Matchaというカフェ事業をオープンさせた。行列ができる人気店舗となったが、オペレーションの関係で挽きたての抹茶を出すことは諦めざるをえなかった。さらに、自宅用に抹茶パウダーを買って自分でお茶を点てる人はいなかった。


抹茶パウダーは表面積が非常に大きくなるので、酸化して本来の味と香りがすぐ変化してしまう。コーヒーと同じように飲む前に茶葉を気軽に挽くことはできないだろうか?


英次郎の挑戦がはじまった。

マシン誕生

挽きたての抹茶を自宅で気軽に

英次郎がめざしたのは、石臼で挽く、挽きたて抹茶を、自宅で気軽に毎日飲めるようにするというものであった。つまり伝統的なお茶の味や香りを犠牲にせず、利便性を向上させるということだ。


シリコンバレーに住むエンジニアの自宅ガレージでマシンの試作が始まった。大きくて重い石臼で挽かれた抹茶パウダーは5-10ミクロンの細かさであり、細かく挽くほど口当たりがよくなる。金属の歯を使ったグラインダーでは100-200ミクロンまでしか細かくならず、これでは英次郎が求める最高の挽きたての抹茶には程遠かった。ただ、大きくて重い石臼をマシンの中に入れることはできない。利便性と最高の挽きたて抹茶、両方妥協することはできなかった。


悩む英次郎がたどり着いたのはセラミックミルという選択肢だった。セラミック製の臼なら平均6.1ミクロンの抹茶パウダーが作れ、小型のマシンに搭載することができる。英次郎が目指した挽きたての抹茶を自宅で気軽につくれるマシンがここに生まれた。


ペットボトルでもなんでも、シングルユースのものに溢れているなか、環境を犠牲にして利便性を高める今の世の中ではあるが、英次郎は利便性と環境への配慮を両立するということは可能だと思っていた。思案する中、マシンに茶筒をつけることで、パッケージのゴミを最小限に抑えながら、利便性を確保した。


外装は茶室の円窓に着想を得て、「家に置かれた抹茶マシンから禅を感じて欲しい」という思いをこめた。


茶葉へのこだわり

霧に秘められた美味しさの秘密

抹茶マシンの量産化に向けての準備が進む中、英次郎は理想とする茶葉について思案していた。抹茶は茶葉をまるごと摂取するので、農薬や化学肥料を使わない100%オーガニックであることにこだわりたかった。ただ国産茶葉のオーガニック茶葉は生産量の数%とごくわずか。英次郎はお茶の生産者を一件一件訪ね、理想とする抹茶に適したオーガニック茶葉を探す旅に出た。


英次郎が農家を回る中で気がついたのは、オーガニックのお茶は美味しくないという現実だった。抹茶の原料である碾茶(てんちゃ)は収穫前の2−3週間、覆いをかけることでうまみを増やすため、煎茶に比べてより虫がつきやすい。そのため、肥料をあまり与えず、自然に近い状態で育てる自然農法が一般的だった。自然農法では虫がつきづらくなる反面、お茶の味が大きく落ちてしまう。「味は妥協できない…」英次郎は悩んだ。


悩みながら農家周りを続ける中、鹿児島県霧島の西さんの茶畑でオーガニック抹茶を飲んだ時に英次郎は驚いた。(おいしい!これは本当にオーガニックなのか?)びっくりした様子の英次郎をみて、西さんは少し嬉しそうにこう言った。「美味しいだろう?秘密を知りたいかい?」西さんは空を少し見上げなから語り始めた。


「僕らがオーガニック抹茶の作り方はお茶の木に沢山の栄養分を与えて、強い木を作るっていうやり方。ただ栄養分を与えると言っても、化学肥料と違って有機肥料は土壌の中のバクテリアが分解しなければ、茶の木が吸収できないんだ。手間もかかるし肥料代も沢山かかるのでこのやり方でやっている農家はとても少ない。」


「この土地は霧島という名前からわかるように雨や霧がおおい地域。雨がない時期には地下水をまくことで、水分を含みバクテリアが多い肥沃な土壌ができる。僕らは霧島という土地の利と人間の知恵を生かして、美味しい茶葉をつくっているんだ」


英次郎が探していた理想の茶葉に出会った瞬間だった。


英次郎からのメッセージ

「この土地は霧島という名前からわかるように雨や霧がおおい地域。雨がない時期には地下水をまくことで、水分を含みバクテリアが多い肥沃な土壌ができる。僕らは霧島という土地の利と人間の知恵を生かして、美味しい茶葉をつくっているんだ」


英次郎が探していた理想の茶葉に出会った瞬間だった。




抹茶とCuzen Matcha

挽きたて抹茶にこだわる理由

サスティナビリティ

抹茶の健康効果